「収入印紙っていくらから貼るんだっけ?」——窓口でよく出る疑問です。答えは文書の種類によって違うのですが、領収書に限れば5万円以上が基準になります。この記事では、領収書の金額別の印紙税額に加えて、自動車業界で扱うことの多い契約書類の扱いも整理します。
領収書は5万円以上から収入印紙が必要
領収書(売上代金に係る金銭の受取書=第17号の1文書)は、記載金額が5万円以上になると印紙税の課税対象です。5万円未満は非課税で、印紙は不要です。この基準は2014年4月1日以降のもので、それ以前は3万円が基準でした。古い解説を見て「3万円から」と覚えている方は注意してください。
| 記載金額 | 印紙税額(1通) |
|---|---|
| 5万円未満 | 非課税 |
| 5万円以上 100万円以下 | 200円 |
| 100万円超 200万円以下 | 400円 |
| 200万円超 300万円以下 | 600円 |
| 300万円超 500万円以下 | 1,000円 |
| 500万円超 1,000万円以下 | 2,000円 |
| 1,000万円超 2,000万円以下 | 4,000円 |
| 2,000万円超 3,000万円以下 | 6,000円 |
| 3,000万円超 5,000万円以下 | 1万円 |
| 金額の記載がないもの | 200円 |
| 営業に関しないもの | 非課税 |
5万円の判定は税抜?税込?
消費税額等が明確に区分して記載されていれば、税抜金額で判定します。区分がなければ税込金額で判定されます。整備の現場では、この差で印紙の要否が変わる金額帯(税抜4万5千円〜5万円前後)の会計が頻繁に発生します。
| 記載 | 判定金額 | 印紙 |
|---|---|---|
| 49,500円(税抜45,000円、消費税4,500円) | 45,000円 | 不要 |
| 52,800円(税抜48,000円、消費税4,800円) | 48,000円 | 不要 |
| 52,800円(区分記載なし) | 52,800円 | 必要(200円) |
「消費税額を必ず区分して書く」だけで、印紙代を正しく抑えられます。
領収書以外の文書はいくらから?
収入印紙が必要になる金額は、文書の種類ごとに決まっています。自動車業界で関わりの深いものを挙げます。
| 文書 | 号数 | 課税の基準 |
|---|---|---|
| 領収書(売上代金の受取書) | 第17号の1 | 5万円以上 |
| 請負に関する契約書(整備・修理・架装など) | 第2号 | 1万円以上 |
| 継続的取引の基本契約書(取引基本契約など) | 第7号 | 金額に関係なく4,000円 |
| 不動産の譲渡・消費貸借に関する契約書 | 第1号 | 1万円以上 |
中古車の売買契約書に収入印紙は不要
意外と知られていませんが、自動車のような動産の売買契約書は課税文書ではありません。印紙税が課されるのは印紙税法に定められた文書だけで、動産の売買契約書はそこに含まれていないためです。したがって、中古車・新車の売買契約書そのものに収入印紙は不要です。
一方で、次の点には注意が必要です。
- 売買契約書に「代金を受領した」旨の記載があると、受取書(第17号文書)として課税される場合がある
- 整備・修理・架装など請負にあたる契約書や注文請書は、第2号文書として1万円以上で課税される
- 販売と請負が混在する契約書は、内容によって判断が分かれる
判断に迷う書類は、顧問税理士か所轄税務署にご確認ください。
「車検の印紙代」は収入印紙とは別物
車業界で「印紙代」というと、車検の際に支払う検査手数料(自動車検査登録印紙・自動車審査証紙)を指すことがあります。これは手数料の納付方法であって、印紙税とはまったく別の話です。お客様への説明では、混同されないよう「領収書に貼る収入印紙」と明示するのがおすすめです。
印紙を貼り忘れるとどうなるか
| 状況 | 負担 |
|---|---|
| 貼っていないことを調査で指摘された | 本来の印紙税額の3倍(本税+2倍の過怠税) |
| 自主的に申し出た | 本来の印紙税額の1.1倍 |
| 消印(割印)を忘れた | その印紙と同額の過怠税 |
なお、誤って多く貼ってしまった場合などは、税務署に還付を請求できる制度があります。
そもそも印紙が不要になる方法
もっとも確実な対策は、領収書を電子化することです。電子データとして提供する領収書は、紙の課税文書の交付にあたらないため、収入印紙が不要とされています。金額の判定も、貼り忘れの心配もなくなります。
詳しくは電子領収書に収入印紙は不要?印紙税の考え方で解説しています。整備工場・自動車販売店での具体的な運用は電子領収証システムのページをご覧ください。
よくある質問
ちょうど5万円の領収書に印紙は必要ですか?
必要です。「5万円以上」が課税対象なので、5万円ちょうどは含まれます。
クレジットカード払いでも印紙は必要ですか?
「クレジットカード利用」と明記されていれば、金銭の受領がないため印紙税の対象外です。記載を忘れないでください。
2枚に分けて発行すれば印紙は不要になりますか?
実際の取引を反映しない分割は認められません。
印紙はどこで買えますか?
郵便局のほか、法務局や一部のコンビニエンスストアでも購入できます。ただしコンビニでは200円の印紙しか扱っていないことが多く、高額な印紙は郵便局での購入が確実です。
整備工場・車販店の領収書を電子化しませんか?
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