5万円以上の車検代を現金で受け取る日に、収入印紙の在庫が切れていることに気づく。整備工場や車販店の事務担当者なら一度は経験のある場面です。収入印紙をどこで買えるかは、印紙をもつてする歳入金納付に関する法律第3条に書かれています。売り渡す場所は、日本郵便の営業所(郵便局)、郵便切手類販売所、印紙売りさばき所の3種類です。この記事では、それぞれの違い、法務局の印紙売り場の支払い方法、コンビニの扱いについて公式の案内で確認できた範囲、額面を間違えたときの交換、車検で使う自動車重量税印紙との区別を整理します。印紙を買いに行く手間そのものを減らす方法として、電子領収証の考え方も最後に紹介します。
この記事で確認した一次情報
- 印紙をもつてする歳入金納付に関する法律(e-Gov法令検索)第3条(売りさばきの場所、定価販売、交換)、第4条、第5条
- 郵便切手類販売所等に関する法律(e-Gov法令検索)第2条〜第4条(郵便切手類販売所と印紙売りさばき所)
- 収入印紙及び自動車重量税印紙の売りさばきに関する省令(e-Gov法令検索)第8条(交換の請求先)、第9条(交換手数料)
- 東京法務局 よくある質問(手数料のキャッシュレス決済)登記所内の印紙売場は現金のみ
- 出入国在留管理庁 収入印紙の購入について売店やコンビニエンスストア等は在庫に限り、現金のみ
- 収入印紙の交換制度(国税庁 質疑応答事例)1枚5円の手数料、現金化はできない
収入印紙を買える場所(郵便局、郵便切手類販売所、印紙売りさばき所)
収入印紙を買える場所は、法律で3種類に決まっています。印紙をもつてする歳入金納付に関する法律第3条第1項は、印紙の売りさばき事務を日本郵便株式会社に委託し、収入印紙は日本郵便の営業所(郵便の業務を行うもののうち総務大臣が財務大臣に協議して指定するもの)、郵便切手類販売所、印紙売りさばき所で売り渡すと定めています。郵便切手類販売所は、日本郵便が選んだ事業者が郵便切手類と印紙を売るために設ける場所で、印紙売りさばき所は、日本郵便が営利を目的としない法人から選んだ印紙の売りさばき人が設ける場所です(郵便切手類販売所等に関する法律第2条、第3条)。同法第4条第2項は、こうした販売者に一般の需要を満たすに足る数量の印紙を常備するよう求めています。整備工場の事務担当者にとって身近なのは郵便局と、登記所に併設された印紙売りさばき所の2つです。
| 買える場所 | 根拠 | 確認できたこと |
|---|---|---|
| 郵便局(日本郵便の営業所) | 歳入金納付法第3条第1項第1号 | 額面の交換も受け付ける(ゆうゆう窓口は原則不可) |
| 郵便切手類販売所 | 同号、郵便切手類販売所等に関する法律第2条第1項 | 日本郵便が選んだ販売者が設ける。どの店かの一覧は確認できず |
| 印紙売りさばき所 | 同号、郵便切手類販売所等に関する法律第2条第2項 | 営利を目的としない法人が設ける。法務局の登記所に併設の例あり |
どこで買っても値段は同じです。第3条第2項は、印紙を売り渡す者は定価で公平に売り渡さなければならないと定め、第5条は定価と異なる金額で売り渡した者を30万円以下の罰金に処するとしています。
郵便局で収入印紙を買うときの注意点
郵便局は、収入印紙の購入と額面の交換をまとめて頼める場所です。日本郵便のよくある質問は、収入印紙を印紙税のほか国に納付する手数料、罰金、訴訟費用等の支払いに使える証票と説明し、汚染や損傷のない収入印紙は手数料を払えば他の額面に交換できるとしています。交換については、ゆうゆう窓口では原則として受け付けておらず、ゆうゆう窓口以外の郵便窓口の営業時間に持ってきてほしいと案内しています。売りさばき省令第8条も、交換の請求先を「収入印紙を売りさばく会社の営業所」としています。整備工場で月末にまとめて印紙を補充するなら、200円の印紙を中心に、鈑金修理や車両販売で使う400円や600円も、自社の領収書の金額帯に合わせて枚数を決めておくと、窓口で迷いません。郵便局ごとの在庫や支払い方法までは公式の案内で確認できなかったため、高額の印紙や大量の枚数が必要なときは、事前に最寄りの郵便局へ問い合わせてください。
| 自社の領収書の金額(売上代金) | 印紙税額 | 車業界の場面 |
|---|---|---|
| 5万円未満 | 非課税 | オイル交換、部品販売 |
| 5万円以上100万円以下 | 200円 | 車検整備、一般修理 |
| 100万円超200万円以下 | 400円 | 鈑金塗装、中古車販売の一部 |
| 200万円超300万円以下 | 600円 | 中古車販売 |
| 300万円超500万円以下 | 1,000円 | 車両販売 |
税額は印紙税法別表第一第17号と国税庁タックスアンサーNo.7105で確認したものです。金額別の詳しい一覧は「収入印紙はいくらから必要?」にまとめています。
法務局の印紙売りさばき所と支払い方法
法務局の登記所には、印紙売りさばき所が併設されているところがあります。東京法務局は、登記事項証明書の手数料は収入印紙で納付してほしいとしたうえで、収入印紙は登記所内の印紙売場でも購入できるが、支払方法は現金のみと案内しています。松山地方法務局も、管内登記所(四国中央支局を除く)に印紙売りさばき所が併設されているが、収入印紙の購入は現金のみで、バーコード決済やクレジットカード決済は利用できないと案内しています(2025年8月22日更新)。会社の登記事項証明書を取りに行くついでに、領収書用の200円印紙を買い足すこともできます。ただし、支局によっては売りさばき所を置いていない場合もあり、松山地方法務局の案内も四国中央支局を除いています。法人カードで経費を払う運用の会社でも、法務局の印紙売り場では現金を用意する必要があります。
支払い方法や売りさばき所の有無は法務局ごとに異なります。出かける前に、管轄する法務局のホームページで確認してください。
収入印紙はコンビニで買える?確認できた範囲
コンビニで収入印紙を扱う店があることは、公式の案内から読み取れますが、どの店で買えるかまでは確認できません。法律上、収入印紙は郵便切手類販売所でも売り渡すことになっていて(歳入金納付法第3条第1項第1号)、郵便切手類販売所は日本郵便が選んだ販売者が設けます。出入国在留管理庁の「収入印紙の購入について」は、各地方出入国在留管理官署に入居する売店やコンビニエンスストア等では収入印紙の在庫に限りがあるので、規模の大きな郵便局等で事前に購入してから来てほしいと書いています。コンビニの各チェーンが収入印紙を扱っているか、扱う額面が何かについて、日本郵便や財務省、国税庁の公式資料は今回確認できませんでした。そのため、この記事では「コンビニなら必ず買える」とは書きません。急ぎで200円の印紙が1枚だけ要る場面なら近くの店に問い合わせる価値はありますが、400円以上の額面や複数枚が必要なときは郵便局が確実です。
窓口で印紙が切れたときの考え方
印紙税は課税文書の作成の時までに納付する決まりです(印紙税法第8条第1項)。領収書を先に渡して後から印紙を貼る運用はできません。在庫が切れそうなときは、前日までに郵便局で補充する段取りにしてください。
買い間違えた収入印紙の交換と還付
額面を間違えて買った収入印紙は、郵便局で1枚5円の手数料を払えば別の額面に交換できます。国税庁の質疑応答事例「収入印紙の交換制度」によると、交換の対象は未使用の収入印紙と、白紙や封筒など明らかに課税文書でないものに貼った収入印紙です。消印したものなど汚損した印紙、租税や国の歳入金の納付に使われた疑いがある印紙、文書から切り離した印紙は交換できません。2万円の印紙1枚を200円の印紙100枚に替えるなら手数料は5円、200円の印紙10枚を2,000円の印紙1枚に替えるなら50円です(売りさばき省令第9条は、交換の請求に係るもの1枚につき5円と定めています)。現金への交換はできません。領収書や契約書に多く貼ってしまった場合は、交換でなく税務署での過誤納の確認と還付の手続になります。国税庁のタックスアンサーNo.7130によると、還付の請求権は請求できる日から5年で消滅します。
| 状況 | 手続 | 窓口 |
|---|---|---|
| 未使用の印紙の額面を替えたい | 交換(1枚5円) | 郵便局 |
| 白紙や封筒に貼ってしまった | 交換(1枚5円) | 郵便局 |
| 領収書に多く貼った、課税文書でない文書に貼った | 過誤納の確認と還付 | 所轄の税務署 |
| 使う見込みがなくなった課税文書の用紙に貼った | 過誤納の確認と還付 | 所轄の税務署 |
| 印紙を現金に戻したい | できない | なし |
日本郵便のよくある質問も、契約書に貼りすぎた場合や貼る必要のない文書に貼った場合は、近くの税務署に還付の対象や請求方法を問い合わせるよう案内しています。
車検の自動車重量税印紙・検査登録印紙との違い
整備工場では、収入印紙のほかに自動車重量税印紙や自動車検査登録印紙も扱いますが、これらで領収書の印紙税は納められません。国税庁の質疑応答事例「印紙の範囲」は、国が発行している印紙には収入印紙、自動車重量税印紙、雇用保険印紙、自動車検査登録印紙、健康保険印紙、特許印紙、登録印紙などがあり、印紙税を納付するのは収入印紙によらなければならないとしています。売っている場所も違います。歳入金納付法第3条第1項第4号は、自動車重量税印紙を日本郵便の営業所、郵便切手類販売所、印紙売りさばき所のうち総務大臣が財務大臣に協議して指定するもので売り渡すとしています。第4条は、自動車検査登録印紙を地方運輸局、運輸監理部、運輸支局などや、国土交通大臣が委託する者が設ける自動車検査登録印紙売りさばき所で売り渡すとしています。車検の書類用に運輸支局の近くで印紙を買ったとき、領収書用の収入印紙も同じ場所で買えるとは限りません。
| 印紙の種類 | 主な用途(整備工場の場面) | 売り渡す場所(法律の規定) |
|---|---|---|
| 収入印紙 | 5万円以上の現金領収書、請負契約書 | 日本郵便の営業所、郵便切手類販売所、印紙売りさばき所(第3条第1項第1号) |
| 自動車重量税印紙 | 車検時の自動車重量税 | 上の3つのうち指定されたもの(第3条第1項第4号) |
| 自動車検査登録印紙 | 車検や登録の手数料 | 運輸支局等、国土交通大臣が委託する者の売りさばき所(第4条) |
印紙を買いに行く手間をなくす電子領収証
収入印紙を貼るのは、紙の領収書を作成して相手に渡すときです。国税庁の印紙税法基本通達第44条は、相手方に交付する目的で作成される課税文書は交付の時が作成の時になるとしています。福岡国税局は平成20年10月24日の文書回答事例で、注文請書を紙で渡す代わりにPDFに変換して電子メールで送信した場合は課税文書を作成したことにならない、という照会者の見解を「差し支えありません」と回答しました。領収書もPDFなどの電子データで渡せば印紙は要らず、郵便局へ印紙を買いに行く手間や在庫の管理もなくなります。整備システム・整備ソフト DREAM POWERのオプション「電子領収証システム」は、入金入力の画面で「電子で発行」を選ぶとPDFの電子領収証を作り、WEB管理システムへ自動で保存します。お客様にはQRコード付きの案内用紙を渡し、スマートフォンで読み取ると領収証が表示されます。
紙で渡す場面は残る
お客様が紙の領収書を希望して紙で作成し渡した場合は、通常どおり印紙税の対象です。電子領収証システムは発行時に紙と電子を選べるので、紙用の収入印紙は少量でも手元に置いておくと安心です。取扱いの細部は顧問税理士か所轄の税務署に確認してください。
整備工場・車販店の領収書を電子化しませんか?
車検や鈑金の精算で5万円以上の現金領収書を月に何通出しているかがわかれば、印紙の購入や在庫管理がどれだけ減るかを一緒に試算できます。整備システム・整備ソフト DREAM POWERの入金入力から電子領収証を出す運用について、お気軽にご相談ください。
よくある質問
- 収入印紙はコンビニで買えますか?
- 法律上、収入印紙は日本郵便の営業所のほか、郵便切手類販売所と印紙売りさばき所でも売り渡すことになっています(印紙をもつてする歳入金納付に関する法律第3条第1項第1号)。出入国在留管理庁の案内には、官署に入居する売店やコンビニエンスストア等は収入印紙の在庫に限りがあるので、規模の大きな郵便局等で事前に購入してほしいと書かれています。どのコンビニのどの店舗で、どの額面を扱っているかを示す公式の一覧は確認できませんでした。必要な額面と枚数が決まっているときは郵便局で買うのが確実です。
- 法務局の印紙売り場ではクレジットカードで払えますか?
- 東京法務局は、登記所内の印紙売場での支払方法は現金のみと案内しています。松山地方法務局も、管内登記所に併設された印紙売りさばき所はバーコード決済やクレジットカード決済を利用できず、現金のみと案内しています。ほかの法務局でも同じとは限らないため、事前に各法務局の案内を確認してください。
- 収入印紙を定価より安く買う方法はありますか?
- 印紙をもつてする歳入金納付に関する法律第3条第2項は、印紙を売り渡す者は定価で公平に売り渡さなければならないと定め、第5条は定価と異なる金額で売り渡した者を30万円以下の罰金に処するとしています。郵便局や売りさばき所で買う限り、値段はどこでも額面どおりです。
- 額面を間違えて買った収入印紙は返金してもらえますか?
- 現金には換えられません。汚れや損傷のない収入印紙は、郵便局で1枚5円の手数料を払えば別の額面の収入印紙に交換できます(国税庁 質疑応答事例「収入印紙の交換制度」、売りさばき省令第9条)。日本郵便は、ゆうゆう窓口では原則として交換を受け付けていないと案内しています。
- 車検で使う自動車重量税印紙で、領収書の印紙税を払えますか?
- 払えません。国税庁の質疑応答事例「印紙の範囲」は、国が発行する印紙には収入印紙、自動車重量税印紙、自動車検査登録印紙などがあるが、印紙税を納付するのは収入印紙によらなければならないとしています。整備工場で重量税印紙の在庫があっても、領収書や請負契約書には収入印紙を用意してください。
- 整備工場や車販店で、領収書の発行を整備・販売の管理とまとめて扱えますか?
- 入金と領収書の発行を別の仕組みで扱うと、金額や宛名の転記ミスが起きやすくなります。自動車整備システム(自動車整備ソフト)や車両販売システム(車販ソフト)の入金入力から領収書を出せば、転記が要りません。整備システム 比較や整備ソフト おすすめの情報を見るときは、整備ソフト 安いかどうかだけでなく、整備システム リースなしで始められるか、電子領収証に対応しているかも確かめてください。
参考にした一次情報
- 印紙をもつてする歳入金納付に関する法律(e-Gov法令検索):https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000142
- 郵便切手類販売所等に関する法律(e-Gov法令検索):https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000091
- 収入印紙及び自動車重量税印紙の売りさばきに関する省令(e-Gov法令検索):https://laws.e-gov.go.jp/law/415M60000008069
- 東京法務局 登記事項証明書等交付請求の手数料のキャッシュレス決済について:https://houmukyoku.moj.go.jp/tokyo/page000001_00837.html
- 松山地方法務局 収入印紙ご購入の際のお支払い方法は現金のみです:https://houmukyoku.moj.go.jp/matsuyama/page000001_00481.html
- 出入国在留管理庁 収入印紙の購入について:https://www.moj.go.jp/isa/01_00646.html
- 日本郵便 誤った額面の収入印紙を購入した場合、他の額面の収入印紙と交換することはできますか?:https://www.post.japanpost.jp/question/96.html
- 日本郵便 収入印紙を契約書に間違えてはり付けてしまいました。どうしたらいいでしょうか?:https://www.post.japanpost.jp/question/3.html
- 収入印紙の交換制度(国税庁 質疑応答事例):https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/inshi/07/01.htm
- No.7130 誤って納付した印紙税の還付(国税庁):https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7130.htm
- 印紙の範囲(国税庁 質疑応答事例):https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/inshi/06/07.htm
- No.7105 金銭又は有価証券の受取書、領収書(国税庁):https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7105.htm
- 印紙税法(e-Gov法令検索):https://laws.e-gov.go.jp/law/342AC0000000023
- 印紙税法基本通達 第7節 作成者等(第44条)(国税庁):https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/inshi/inshi01/07.htm
- 請負契約に係る注文請書を電磁的記録に変換して電子メールで送信した場合の印紙税の課税関係について(福岡国税局 文書回答事例):https://www.nta.go.jp/about/organization/fukuoka/bunshokaito/inshi_sonota/081024/01.htm







